書評 (Book Reviews)
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Betrayer of World
Larry Niven (ラリー・ニーヴン), Edward M. Lerner (エドワード・M・レーナー)
◎書籍概要 (Book Description)
 ナーサン・グレイナーは、ウィメイドイット星で貴族と敵対する反乱軍にいた。 彼が操縦する宇宙船が撃ち落とされ、仕方なしに反乱軍に身を置いてるのだった。 でも、彼はまだマシな方だ。 彼は、安全装置付きのパイロット席にいたから助かったが、乗客は全滅だ。 しかし厄介なことに、彼はモルヒネ中毒に犯されていた。
 いつものように、薬の密売に出かけると、彼を待っていたのは思いもしない生き物だった。 パペッティア人のネサスは、フリート・ワールドを冷戦から救うため、ベイオウルフ・シェイファーを探していたのだが、見つけられたのは彼の養子だけだと言う。 そう、ナーサン・グレイナーは、家族が身を隠して逃げるための偽名であり、彼の本名はルイス・ウー。

 ルイスは、ネサスが保有するカルロス・ウーが作ったナノテク・ドックで薬物中毒を治すが、地球やノウン・スペースに関する記憶は消されてしまう。 そしてニュー・テラで、かつての実父と2番目の父と対峙したオースファラーと共に、グ・オスとパペッティアの冷戦を止めるために働くことになる。

 強制労働送りになっていたアキレスは、再び政界へ返り咲いていた。 そして、グ・オスやニュー・テラを滅ぼすため、パク人の図書館に目を付ける。
◎書評 (Book Review)
 この物語は、「Fleet of Worlds」、「Juggler of Worlds」、「Destroyer of Worlds」に続く、4作目にしておそらく完結編です。

 アキレスの暗躍を防ぎ、グ・オスとニュー・テラの人類を救いたいネサスは、ベイオウルフに助けを乞いたいが、見つかったのはルイスだけでした。 リング・ワールドへ行く50年ほど前の物語であるため、最後にルイスがどんな目に遭うのかは想像付きます。 しかし、どうしてルイスがニュー・テラを去ることになるのかは、最後のどんでん返しまで分かりません。
 前作同様に、アキレスの凶悪さが笑えますが、その凶悪さ故に酷い目に遭うあたりが、ニーブンの物語らしくて良いですね。 困難を抱えているのはパペッティアだけでなく、グ・オスもオル'ツ'ロの独立問題を抱え、ニュー・テラもアキレスに買収されたゴロツキどもに悩まされます。 これらの問題が、最後の最後のどんでん返しでまるっと片付く。 ニーブンの名が表紙に並ぶ物語として、なかなか読み応えがあると思います。
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆
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