書評 (Book Reviews)
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Destiny's Road
Larry Niven (ラリー・ニーヴン)
◎書籍概要 (Book Description)
 スパイラル・タウン(渦巻き街)を取り巻く渦巻き状の「道」は、半島を縦断し、見知らぬ土地へと続く。 この道は、遙か昔、仲間を見捨てて逃亡した着陸船キャボライトが残した跡だった。
 ジェイミーは農場の嫡男として産まれ、間もなく農場を引き継いで主になる予定だった。 しかし、酒場で商人と争う羽目になり、正当防衛ではあるものの殺してしまうことになる。 謎の香辛料スペックルを楯に権力を振るう商人。彼らから逃れるため、数十年にわたるジェイミーの逃亡生活が始まる。 様々な街、異なる風習、商人と盗賊、そして海洋に住むネイティブたち。 いつしかジェイミーの逃亡は、道沿いにキャボライトを追い、謎を解き明かす旅となる。
 最後に考えてもみなかった真実が判明したとき、ジェイミーが下した決断と行動とは?
◎書評 (Book Review)
 発表されてから既に10年以上経っていますが、いまだに邦訳されないニーブンの長編小説です。 舞台は、ジェリー・パーネルとの共著「アヴァロンの闇」、「アヴァロンの戦陣」から500年以上後の世界ですが、物語のつながりはまったくありません。 しかし、なぜ、地球がキャメロットへまともな通信を送れなかったのか、理由が書かれています。
 最近のニーヴンは脳天気な作品が多いですが、この物語はちょっと真面目でちょっと切ない物語となっています。 もちろん、ニーヴンにしては・・・という意味で、世の中の平均と比べたら明るく、ちょっと大人向けのジュブナイルになっています。 スペックルと道の設定には少々無理がありますが、山ほど積み上がった謎が少しずつ明らかにされ、 終盤一気に物語が進むところは、とてもニーヴンらしくて切れ味抜群です。 物語の結末はとてもあっさりしていますが、きっとこれはこれで良いでしょう。 ちょびっとロバート・A・ハインライン風の説教めいた物語ですが、こういう物語は大好きです。

No bird fuckin' allowed!
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆
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