書評 (Book Reviews)
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Expanded Universe
Robert A. Heinlein (ロバート・A・ハインライン)
◎書籍概要 (Book Description)
 「私はとても残念に思うよ、親愛なるルーク。君は明日になる前に死ぬだろう。」
 ピネロ博士の奇妙な予言から20分以内に、ルークは、彼を雇っているデイリー・ヘラルド社へ戻る途中に転落死する。 そして、ピネロ博士は、自ら発明した「時暦計」を使って新しい商売を始めるが、それによって損害を被る業界があった。。。。
-「生命線」 Life Line

 マニング博士が率いる軍の研究所では、副産物の放射性の埃から体を守るため、厳重な防護服を着る必要があった。 しかし、大佐はこの副産物に目を付け、武器への転用を図る。 そして、ナチス・ドイツからの攻撃にさらされる英国に密かに運ばれ、ベルリンへの攻撃が始まった。。。
-Solution Unsatisfactory

 俺は、裸の美しい女性を見るためにそこにいて、誰もが同じ理由だった。 マジック・ミラーに隠された舞台から合図のベルが鳴り、店の照明が落ちた。 しかし、マジック・ミラーの中に横たわっていた裸体は、演出ではなく刺殺体だった。 いったいどうやって?
-They Do It With Mirors

 Pravdaは「事実」を意味する。辞書によればそうだ。
 1960年のメイ・デイに、米国のU2偵察機がソビエト連邦内に着陸する。 これは事実であり、Pravda でもある。 裏に隠された真実に置いては、事実と Pravda は大きく異なる。
-"PRAVDA" Means "TRUTH"

 ソビエト連邦を初めて訪問することは、パラシュート・ジャンプを初めて体験してパラシュートが開かなかった時に、あまりにも似ている。 適切なソビエト連邦の雰囲気を描くと、自身の頭をハンマーで殴りつけることであり、何故ならそれを止めた方が気分がいいからである。
-Inside Intourist

 1979年2月、私は、下院の高齢化委員会と宇宙技術委員会の合同会議への出席依頼を受け取った。 議題は「宇宙技術の高齢者及び身体障害者への適用」。
 「ハニー、どうやって切り抜けたらいいと思う?」
 「明白ね。率直に議題については何も知らないと言うだけ。私が手紙を書いてあなたが署名するだけにしましょうか?」
 「そんな簡単な話じゃないよ。」
 「とても簡単。私たちワシントンなんて行きたくないわ。7月に?馬鹿は言わないで。」
 「君が行く必要はないよ。」
 「まさか私があなたを一人で行かせるなんて思っていないでしょ?あなたをどやって生かし続けるかという問題を終えた後に。ふん!あなたが行くなら私も行くわ。」
-Spinoff

 ウィリアム・リンゼイ・グレシャムは、大理石の彫像にパンツを脱ぎ捨てるほど怯えさせることができるような人物だった。 彼は、占い師が成功する秘訣を簡単に要約した。 常に客が聞きたいことを話す。客はそれを気に入り、喜んで払い、そして君の愉快な予言が実現しなくても許容し、常にまた聞きに戻ってくるのだ。
 株屋は、常にこの手法で仕事をして・・・
-The Happy Days Ahead
◎書評 (Book Review)
 本書は、1980年に発表されたハインラインの短編集+エッセイ集ですが、内容的には、"The Worlds of Robert A. Heinlein" とかぶる部分があるようです。 28本の短編とエッセイが収録され、さらに前書きと後記が加筆されているため、700ページを超えるペーパーバックになっています。 全体を通して見ると、ハインライン先生のSF作家としての半生を振り返ったかのような内容となっているのではないでしょうか。
 この本には、ハインライン先生が「生命線」でデビューした経緯が掲載されているほか、突き返された短編や1度だけ書いたサスペンス物など、珍しい短編も掲載されています。 また、他の有名な長編小説をどういう経緯で書いたのか、作品の反響をどう考えているかなどが書かれているので、ハインライン・ファンが読まないと後悔する本だと思います。
 しかし、個人的には、ハインラインをまったく知らない人にこそ読んで欲しいと思います。 この本を読んでいる時、しばしば読むのを中断されました。 何故なら、記載された内容に触発されて、ついあれこれ考え込んでしまうのです。 例えば、"PRAVDA Means TRUTH" と "Inside Intourist" を読んだ時は、今の中国との類似、さらなる脅威を感じずにいられません。 この本に描写されるソ連と現在の中国は良く似ていて、この本に描かれているソ連の気味の悪さは、天安門事変やチベット自治区とウィグル自治区での出来事を彷彿させます。 しかも、おせっかいな日本の経済学者の助言によって中国に企業経済ができてしまい、今や中国は経済力があるソ連邦のような存在になってしまいました。 中国の隣国に住む我々は、1960年のハインライン先生が見たソ連の記録を読み、中国やミャンマーへの対応を再検討すべきだと思います。
 そして、極めつけは最後の "The Happy Days Ahead" です。 ここに書かれた社会への憂いは、ほぼそのまま現代の日本社会にも適用できます。 個人的には、本書をあらゆる人に勧めたいところですが、最低でも "The Happy Days Ahead" を政治家と役人の必読書に、 投票権を持つすべての人間の推薦図書にしたいところです。 ハインライン氏を選民思想と呼ぶ輩が多いのは知っていますが、ハインライン先生は、決して選民している訳ではありません。 賢くなろうとしない、できない人たちにがっかりしているだけです。
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
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