|
 |
Fleet of World Larry Niven (ラリー・ニーヴン), Edward M. Lerner (エドワード・M・レーナー) |
|
 | 書籍概要 (Book Description) |
|
西暦2197年、恒星間植民船ロング・パスは、奇妙な惑星を見つける。
その凍った星は、光速の10分の1で動いているばかりか、0.001Gで加速を続けている。
ロング・パスの乗員は、その凍った星にメッセージを送ることを決めるが、その結果・・・。
地球暦で2650年、銀河中心核の超新星爆発連鎖から逃げるパペッティア船団は、船団の進路に発見される知的生命を調査し、脅威の排除に努めていた。
市民ネサスは3人の植民者を率いて、自らをグ・オス (Gw' oth) と呼ぶ知的生命体を密かに調査する。
驚異的な速度で科学技術を進化させるグ・オスに対し、ネサスは根絶をも含めた対策を検討する。
その結果、盲目的に市民を崇拝している植民者の心に変化が現われ始める。
キゥスティン (Kirsten) は、グ・オスを羨み、自分たち植民者の出自を探し始める・・・。
|
|
 | 書評 (Book Review) |
|
銀河核の爆発が発見された直後のパペッティア船団を題材にした、ニーブンのノウン・スペース・シリーズ最新作です。
幸運の遺伝子によって、人類に何も困難が起きず、行き詰まってしまったノウン・スペースにおいて、新たな題材としてノウン・スペースの外を題材にしたのでしょうか。
本作は、滅多に見かけないような難しい単語がポンポン登場することから、主に共著のレーナー氏が書いていると思います。
しかし全体としては、とてもテンポよく物語が進み、ニーブンらしい軽快な物語となっています。
リング・ワールドを読んだ人にとっては、物語の前半を読んだだけで最終的に何が起きるか想像できてしまいます。
しかし、いったいヒロインたちがどうやって謎を解き明かすのか、まったく見当が付かないので、それなりに楽しめると思います。
また、既存のノウン・スペース・シリーズという制約がある中で、よくここまで矛盾なく物語をまとめ、かつ楽しめるようにできたものだと感心します。
ベイオルフ・シェーファーの物語に登場する人物まで登場するので、ニーブン・ファンには超お勧めの物語だと思います。
上記の概要では、ヒロインの名前を「キゥスティン」と書いていますが・・・、あまり気にしないでください。
英語のRもLも日本語のラ行と発音が違うよね、という私の単なるこだわりです。
でも、いくら実際の発音に近づけようとしたところで、そもそも発音が違うのだから、いくら表記を近づけようとしても無理なんですよね。
|
|
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
|
|
|
 |
|
 |
|