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Hominids (ホミニッド -原人-) Robert J. Sawyer (ロバート・J・ソウヤー) |
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 | 書籍概要 (Book Description) |
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その日、サドバリーのニュートリノ検出器に、突然異常が検出される。完全に密閉されているはずの重水タンクに、なぜか男が現われたのだった。
量子物理学者ポンターは、アディカーとともに作り上げた巨大な量子コンピューターの実験に取りかかっていた。
障害を起こしたユニットを安定させるため、ポンターが機器を押さえたまま実験を続けたところ、突然ポンターが消えてしまう。
謎の純水だけを後に残して。。。
ヨーク大に勤める遺伝子学者マリーは、帰宅途中、校内で何者かに強姦されてしまう。
失意の底に沈む彼女の自宅には、見も知らぬ医師からの緊急要請が残されていた。
留守番電話には、ネアンデルタール人の遺伝子の専門家を求めていること、驚くべきサンプルが見つかったことが残されているが、失意の底にいるマリーにとってはどうでもいいことだった。
しかし、TVニュースから、それが「生きた」サンプルであることを知る。
心の傷を受けた場所から逃げるように、マリーはサドバリーへ飛ぶ。
そして、奇妙なハイテク機器と高度な知性を身につけたネアンデルタール人と対面することになる。
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 | 書評 (Book Review) |
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クロマニヨン人が絶滅してネアンデルタール人が繁栄した平行宇宙と、クロマニヨン人がネアンデルタール人を根絶し、クロマニヨン人の末裔が跋扈する我々の世界が繋がる物語を描いた3部作の初作です。
某掲示板に集う人たちには人気がない3部作のようですが、理想主義者のソーヤーらしい世界観が描かれていて、とても考えさせられる作品と思います。
歴史の教科書には、農業や酪農が人類に大きな飛躍をもたらしたと書かれていますが、ソーヤーは、狩猟を楽しみながら自然を保護し、我々より遥かに強靭な肉体と豊かな感性を持ち、高度な文明を達成した世界を描きます。
もちろん、ネアンデルタール人の世界もユートピアではありません。様々な隘路があり、これが3部作の最後まで続きます。
3部作というより、3冊で1つの物語になっているので、一息に3冊読んだ方が楽しめると思います。
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独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
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