|
 |
Humans (ヒューマン -人類-) Robert J. Sawyer (ロバート・J・ソウヤー) |
|
 | 書籍概要 (Book Description) |
|
量子物理学者ポンターは、世界を支える最高議会に、異次元に住むグリクシン(クロマニヨン人)の世界と交流する必要性を訴える。
そして、2つの地球は再び接続する。ポンターは、大使ツカナとともに再び我々の地球を訪れる。
ヨーク大学に戻ったものの過去のトラウマに悩まされる遺伝子学者マリーは、シナジー・グループからの依頼を引き受けて米国に渡る。
そこでポンターとの再会を果たすどころか、シナジー・グループから依頼されて、ネアンデルタール人の地球へ行くことになる。
しかし、マリーは当惑し続ける。男性・女性の両方の連れ合いを持つネアンデルタール人の文化に戸惑うばかりか、不可知論者のポンターとカソリック教徒のマリーは、否応もなく衝突することになる。
それでも2人には、引かれ合うだけの理由があるのだった。。。
|
|
 | 書評 (Book Review) |
|
おそらく、ネアンデルタール3部作のうち最も人気がない作品と思いますが、個人的には最も驚嘆した作品です。
ソウヤーの作品は楽観的な展開が多いですが、この作品では、ポンターとマリーの感情的な対立と愛情が、残酷なまでに抉りだされ、深層心理に迫ります。
この作品を読んで不思議に感じたのは、どうして刑事罰に「去勢」がないかということです。
性犯罪者の再犯は繰り返され、子供を対象にした卑劣な性犯罪も後を絶ちません。
どうして、自らの欲望を制御できない馬鹿どもに、原因を根絶する処置を施してはいけないのでしょうか?
作者は、暗に宗教的な理由を挙げているように思います。
中絶や避妊を拒否するバチカンの教えは、去勢を理不尽なまでに極刑に仕立て上げ、西欧社会の観点を支えているのではないでしょうか?
僕も男なので、思春期は辛い思いをしました。性欲さえなければ、もっとましな人間になれると悩み続けました。
しかし、そうした性欲を理性で押さえることができるのが大人ではないのでしょうか。
理性で本能を押さえることができない輩は、去勢するのが相当と思いますが。。。。
実現が無理に近いのは分かりますが、どうして理不尽な個人的衝動によって多くの人が被害に遭い、惨事の結果に悩まされ続け、その根源が放置されていることにやるせなさを感じます。
|
|
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
|
|
|
 |
|
 |
|