書評 (Book Reviews)
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Hybrids (ハイブリッド -新人-)
Robert J. Sawyer (ロバート・J・ソウヤー)
◎書籍概要 (Book Description)
 量子物理学者ポンターと遺伝子学者マリーは、困難に直面していた。 異なる社会、異なる生活習慣、そして異なる染色体の数。 2人は、人種を超えた象徴となるであろう未来の子供のため、隠匿生活を送るある人物を捜しに出かける。
 シナジー・グループの重役、クリーガー博士は、使節団の1人としてネアンデルタール人の世界へ渡る。 ネアンデルタール人を嫌悪している彼は、嫌々ながらネアンデルタールの世界へ渡ったのだが、手つかずに残された美しい自然に驚愕する。 そして、この楽園が人類以外に占められていることを憎悪する。
 ヨーク大学でマリーの同僚だったラスキンは、大学での出世をあきらめ、シナジー・グループへ渡る。 そして、クリーガーの求めるままに、ネアンデルタール人の世界で開発された遺伝子ライターを使い、エボラ・ヴィールスの改変を始める。。。
◎書評 (Book Review)
 ネアンデルタール3部作の最終作です。 物語に暗い影を落としてきた地磁場の異常、そしてクリーガー博士の憎悪が、我々の地球とネアンデルタールの地球に危機をもたらします。 そしてマリーは、ついに1つの合理的な決心をします。
 物語の中でラスキンがマリーの報酬額に驚きます。 物語に描かれているように、この当時の米ドルとカナダドルの相場は1対0.75ほどですが、この書評を書いている2008年までの5年間にほぼ1対1になっています。 しかも、没落しているのは米ドルだけではなく、円も同じです。21世紀に入ってから、日本と米国はともに没落している訳です。 過去のSFを読むと、科学の進展や社会の変化に改めて気づかされることがありますが、たった5年で自国の経済が世界から見放されていることに気づかされるのは、ちょっと辛いですね。
 この3部作は既に邦訳が出版されていますが、読みたい本は英語で読むようにしているため、ペーパーバックで読みました。 よくよく比べてみると、邦訳版より輸入ペーパーバックの方が安いんですね。 最近、紙の品質保持のために古紙の比率が詐称されていたことが明らかになりましたが、やはり、日本人は紙や印字に高い品質を求め過ぎです。 何らかの冊子やパンフレットなどを作った経験がある人ならご存知と思いますが、紙の品質は値段に大きく影響します。 日本の文庫本は、もう少し品質を落として値段を落としたり、古紙の利用率を引き上げた方がいいと思います。 漢字を奇麗に印字するためには高い品質の紙が必要なのは理解しますが、もう少し値段を押さえる努力をしないと、ますます出版数が減ることに繋がると思います。
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆

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