書評 (Book Reviews)
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Mindscan
Robert J. Sawyer (ロバート・J・ソウヤー)
◎書籍概要 (Book Description)
 父と激しく口論する少年時代のジェイクは、父が突然倒れ、植物人間になってしまったことに驚愕する。 それから27年後、父と同じく脳内の血管に奇形を抱えたジェイクは、イモーテクス(不死技)社が開催する式典に参加していた。 父と同じ目に遭わぬよう、自身を人工体へ複写するために。
 夢にまで見た死の恐怖のない体! しかし、死から解放されたジェイク・マインドスキャンに対し、周囲からは予想もしなかった仕打ちを受ける。 同じくマインドスキャンとなったカレンとともに、ジェイク・マインドスキャンは人生の再構築を試みる。
 他方、スキャンを終え、人工体に移ることなく不幸な体に取り残されたジェイク・オリジナルは、契約通りハイ・エデンへ旅立ち、余生を送る予定だった。 しかし、彼には、幸運が不幸と苦悩となって降り掛かる。
◎書評 (Book Review)
 ロバート・J・ソウヤーがしばしば取り上げる「人格のアップロード」を中心にした物語です。 機械へのアップロードは、ソウヤーだけでなく多くの作家も取り扱っていますが、もしこんな技術が実現したとき、彼らの物語以上の喧噪が起きることは間違いないでしょう。
 裁判を通じて問われる「人間とは何か?」という定義も面白いですが、ソウヤーが描くマインドスキャンの可能性に、論議はさておきアップロードを本気で目指せなくてはいけないのでは?と考えさせられました。
 地球の歴史を振り返ってください。 100万年の後、人類が生き残っている可能性なんてほぼありません。 ただ、新たな生態系が残されるだけでしょう。 ぜひ、この本を読んで考えてみてください。 100万年後、人類の痕跡がスペース・デブリだけだとしたら、寂しくありませんか?
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆
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