書評 (Book Reviews)
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The Ringworld Throne 「リングワールドの玉座」
Larry Niven (ラリー・ニーヴン)
◎書籍概要 (Book Description)
 ただ1人、リングワールドを旅するルイス・ウーは年老い始めていた。 ルイスは、リングワールが恒星に衝突する惨事を避けて世界を救ったが、そのために数兆の人を殺すことになった罪に苛まれ、人生の終着点を目指していた。
 その頃、かつてルイスがサン・フラワー(巨大な鏡の花弁で侵入者を焼き尽くす植物)対策のために雲を発生させた地域では、日を嫌う吸血族が跋扈し始めていた。 多くの種族は、吸血族の強力な武器が何なのかを知らずに破滅していく。 かつて吸血族と戦った経験をもつ者たちは、種族の壁を超えて吸血族と戦う体制を整え始めるが、そこへ超人が関わり始める。 恐るべき体力と知力を備え、種の保存のみを本能に戦うプロテクター。人の最終形態であるプロテクターの暗躍が、種族間の戦いに影を落とし始めていた。
 かつてルイスをリングワールドへ拉致したハインドモーストは、驚異的な頭脳と体力を持つパペッティア人であり、草食動物特有の臆病さから自らの安全確保に奔走する。 リングワールドを救ったとき、彼の配慮によって極限まで被害者を減らしたことをルイスに証明し、若返りをルイスに提供する替わりにハインドモーストの手足となる契約を結ぶ。
 パペッティア人のテレポート・デバイスを使ってニードル号へ向かうルイス。懐かしのニードル号に入ったその時、謎の2体の侵入者が現れる。。。
◎書評 (Book Review)
 リングワールド・シリーズの第3作です。 リングワールドには、人類と祖先を同じにする数々の種族が住んでおり、前作で登場したリングワールドの住人たちも登場します。 かつてルイスと一緒に拉致されたクジン人(知性を持つ凶暴な地上猫)のハミィーは登場しませんが、ルイスの知性を尊敬する彼は、息子のアコライト (acolyte : キリスト教の侍者) を彼に付き従わせます。 その他、Crashlanderで登場するカルロス・ウーのナノテク・ドックも登場します。
 前半は、ヴァンパイヤとの戦いを中心に物語がゆっくり進みますが、コブ男の登場を機に一転し、物語はリングワールド全体とその外辺に広がります。 リングワールドの外辺には、人類とクジン人の艦隊が集結し、情勢がめまぐるしく移り変わります。
 やや無理を感じる部分もありますが、リングワールドシリーズ中、最も綺麗にまとまっている作品と思います。
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆

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