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The Demon-Haunted World 「人はなぜエセ科学にだまされるのか」 Carl Sagan (カール・セーガン) |
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 | 書籍概要 (Book Description) |
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宇宙人による誘拐、霊との交信、超能力などなど、世の中に当たり前のように存在する現象について、故カール・セイガン博士が科学的な見地から信憑性を問い、人はどうすべきかを問うエッセイです。
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 | 書評 (Book Review) |
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SF作家でもある故アイザック・アシモフ博士は、この著書を中高生の必読書にすべきと絶賛していました。
私自身は、非凡な天の邪鬼であるアシモフ博士が好きではありませんが、この意見には賛成です。
人類はやっとここまでの文明と文化を持てる種族となったのに、あまりにも無分別で軽薄で恥知らずな行為が多すぎると思っています。
この本は、アシモフ博士の言葉に従って我が家の課題図書にしています。
少し前まで、世の中の多くの人が取り憑かれる一種の強迫観念に、私も取り憑かれていました。
誰もが可能な限り、世の中の担がれている人たちに警告してあげるべきだと信じていました。
訳の分からない新興宗教や宗教に名を借りて他人を攻撃する輩、視聴者を小馬鹿にした心霊のものや宇宙人もののテレビ番組を信じる人たち。
このどれもが軽蔑の対象で、こんな非生産的なことは止めて、他にもっとやるべきことがあることに気づくべきだと考えていました。
また、場合によっては、誤りを正す事も必要だと考えていました。
しかし、今は、そんな考え方は無駄なんことだと考えています。
騙す人、煽る人、担ぐ人が悪いことは事実でしょうが、簡単に担がれたり騙されたりする人がいるから、軽蔑すべき極端な宗教家や扇動者、詐欺師やペテン師が生き長らえるのです。
そして、いろいろなものに担がれたり騙されたりしている人たちは、決して不幸ではないのです。
人間は感情の生き物なので、例え経済的に損益を被っていても、精神的には満ち足りていれば万事オッケーなんです。
粗悪品をつかまされていても、素晴らしいと思う商品が安く買えたら幸せなんです。
搾取される側が自ら気づいた時、はじめて搾取から逃れることができると思っています。
セイガン博士は、世の中を良くすることを願って執筆されたと思います。
もしかしたら、自分の余命を知ったために、悲痛に満ちたような主張に結びついているのかもしれません。
でも、私は、この書籍を読む事を積極的に勧めるつもりはありません。
この本に書いてあることは素晴らしいと思っていますが、誰にとっても素晴らしい訳ではありません。
良心が許さないので実行しませんが、世の中、人を煽って搾取した方が楽しく生きられるでしょう。
みなさん自身は、どうありたいですか?
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独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
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