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WWW:Wonder Robert J. Sawyer (ロバート・J・ソウヤー) |
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| 書籍概要 (Book Description) |
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WATCHの攻撃を阻止したケイトリンとウェブマインドだったが、今度はウェブマインドとケイトリンの関係が暴かれてしまう。
やむを得ずテレビ番組に登場するケイトリンだったが、散々な結果を招く。
ウェブマインドの説得に応じ、野蛮な道を捨てたホボは、ウェブマインドから1つ依頼を受けることになる。
国連から演説を依頼されたウェブマインドは、象徴的な登場を狙うのだった。
中国共産党に、東京大学から依頼が届いた。
人権活動家ヲン・ウェイ・ジェンの障害を、黒田博士が治すと言うのだ。
中国共産党はこれを餌に、ヲンの卓越した能力をネット監視のために使わせる。
しかし、その裏には、ウェブマインドのある目的が隠されている。
ウェブマインドの抹殺に失敗したWATCHのヒューム大佐は、選挙を控えた大統領からウェブマインドへの攻撃を禁止される。
しかし、それではウェブマインドの進化を許すことになってしまう。
大統領の命令より米国を守ることを優先する彼は、ハッカーのリストを手に、ウェブマインド抹殺の行動に出る。
しかし奇妙なことに、訪ねるハッカーはことごとく謎の失踪を始める。
彼は、裏にウェブマインドの暗躍があることを疑い始める。
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| 書評 (Book Review) |
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ソーヤー氏のWWW三部作の第3話です。
いよいよ4つの物語が融合し、ウェブマインドの人間性のための行動が展開します。
ウェブマインドの抹殺を試みるのは、ヒューム大佐だけではありません。
中国共産党も、その存在を中国国民から切り離すことを目指します。
これに対し、ケイトリンとウェブマインドが、再び共闘します。
WATCHとヒューム大佐は、ハッカーの失踪には、ウェブマインドの関与があったことを突き止めます。
そして、失踪したハッカーの居場所へ向かったヒューム大佐は、逆にウェブマインドの配下によって捕われますが、それによって歴史的な出来事の目撃者になります。
さすがソーヤーですね。圧巻の結末です。
ケイトリンのネット視の使い方や描写は、奇妙な違和感を感じます。
でも、SFと言えば、AIやロボットは必ず人類の敵になる。
これに真っ向から対峙するソウヤーは、まるでアシモフのようですね。
そしてアシモフの物語と同様に、ウェブマインドが人類を救います。
エピローグに書かれるウェブマインドの言葉に、感動を覚える一冊と思います。
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独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
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