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Calculating God Robert J. Sawyer (ロバート・J・ソウヤー) |
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 | 書籍概要 (Book Description) |
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フォーフィルナー族 (Forhilnor) のホラスが乗る着陸船は、NASAでもワシントンDCでも国連でもなく、トロントの王立オンタリオ博物館に着陸する。
ホラスが守衛に「古生物学者とお会いしたいのですが」と伝えたことによって、古生物学者トーマス・ジェリコとホラスが出会うことになった。
肺ガンによって余命幾ばくもないジェリコは、ホラスが古生物学を学びに来たのは、実は神を追いかけるための研究と知って驚愕する。
本当に神は存在するのか?神が進化を誘発していたのか?別の星から消え去った種族が目指したことは何だったのか?
そして、神から見放されたジェリコが下した決断とは?
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 | 書評 (Book Review) |
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宗教嫌いのソウヤーが送る、神の存在を科学的に検証する物語です。
おそらく、進化論を教えることが問題とされる米国を揶揄するために創造主を担ぎ出し、進化の黒幕に仕立て上げているのでしょう。
ソウヤーの物語では、不治の病に冒される主人公が良く登場しますが、他の物語同様、重いテーマでありながら明るく物語が進みます。
特に出だしは、ホラスが巻き起こす喧噪や予想も付かない行動に、吹き出すこと請け合いです。
ダグラス・アダムスの銀河ヒッチハイクガイド・シリーズ「宇宙のクリケット大戦争 (Life, the Universe and Everything)」にも
使われていますが、ダーク・スーツに身を包んだ2人組が言う「だって君は『私をリーダーのところへ案内しろ』と言うでしょ?」という台詞は、
B級SF番組に登場する宇宙人が必ず "Take me to your leader" と言うことから、この台詞自体がジョークになっています。
ジェリコが息子へ宛てたビデオ・レターなど、胸にぐっとくる場面作りもソーヤーらしさがあふれています。
著者が本当に言いたかったのは、「神がいたとしても、生はただの生」ということでしょうか?
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独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆☆
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