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Destroyer of Worlds Larry Niven (ラリー・ニーヴン), Edward M. Lerner (エドワード・M・レーナー) |
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| 書籍概要 (Book Description) |
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シュスシュフォクは、植民地候補の惑星で永久表土をボーリング調査していた。
この惑星の気候の安定性を調べるために。
そして、ぼんやりと遠い昔の自分を思い出していた。
自分がブリーダーだった頃の生活、そして、どうやって自分がプロテクターに変体したのかを。
その時、突然、調査に加わる全てのプロテクターに非常呼集が係る。
何かあったのだ!彼らの母星に!
プロテクターは、子孫を守る強烈な本能のみで生きている。
一族の子孫がいなくなったら、彼らに生き残る道はないのだ。
シグマンドは、ネサスを恨んでいた。
ネサスによって記憶を操作されたため、彼は地球に帰れないばかりか、ノウン・スペースを探す事すらできない。
しかし、彼はネサスに感謝していた。
彼の3度目の人生は、幸せそのものだった。
ニュー・テラでは、妻子に囲まれ、英雄として尊敬され、ニュー・テラの諜報、軍事を司る大臣でもあった。
そんな彼の元に、突然、奇妙な通信が届く。
ビデオに流れる文字はまったく分からないし、おまけに通信を送ったと思われる人物は、まるでタコとヒトデの間の子のようだ。
そして、エリックとキルスティンから、彼らの存在が明かされる。
送信主は、自らをグ・オス(単体はグ・オ)と呼ぶ知的生命体であること、エリックとキルスティンは、ニュー・テラの独立後、彼らの月に通信機を残してきたことを。
「友よ、直ぐに来てくれ。何かが私たちの方へ突進してきている。とてつもなく危険な何かが。」
グ・オスからのメッセージは、危機を知らせる招待状だった。。。
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| 書評 (Book Review) |
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この物語は、前作「Juggler of World」の続編です。
ARMのオート・ドクによって命を助けられ、ARMのエージェントとして第2の人生を過ごしたシグマンドは、未邦訳の短編集「Crashlander」の最後に、仲間の裏切りによって無惨な2度目の死を迎えます。
しかし、秘密裏にネサスが彼を救い出していました。
ネサスは、人類のことが総じて好きであり、ニュー・テラの人類を守るため、シグマンドを助け出したのです。
シグマンドの働きによって、パペッティア人のフリート・ワールドと人類のニュー・テラが救われましたが、そこに新たな脅威が降り掛かります。
銀河の中心核爆発から逃れてきた、パク人の艦隊です。
アウステラロピテクスの最終進化形態である彼らは、強力な知性を備えるも、自らの子孫を繁栄させることにしか興味が無く、ひたすらパク母星の資源を枯渇させながら戦闘を繰り返していました。
そんなパク人の艦隊からどうやって、パペッティア、人類、そしてグ・オスの世界を守るのか?
そして、やはり驚異的な知性を備えるグ・オスと、どう対峙するのか?
それぞれの種族の利害のため、人類のシグマンド、パペッティアのベデカー、グ・オスのオル・ツ・ロ(16体のグ・オからなる超知性「グ・オテスト」)、パク人のプロテクターであるシュスシュフォクが戦略を巡らせます。
最初から後半まで、どう物語が展開するのか楽しみでどんどん読み進みましたが、最後の締めくくりとエピローグは、ちょっと何だかなーという印象です。
でも、ニーヴン・ファンにはお勧めの1冊だと思います。
本作の巻末に、次作「Betrayer of Worlds」の巻頭が紹介されています。
今までの3作とはちょっと異なり、今度はウイメイドイット星から物語が始まるようです。
こちらも、そろそろペーパーバックが出る頃なので、ちょっと楽しみです。
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独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
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