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Juggler of World Larry Niven (ラリー・ニーヴン), Edward M. Lerner (エドワード・M・レーナー) |
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| 書籍概要 (Book Description) |
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シグマンド・オースファラーが目覚めたとき、明らかに誘拐されたことに気づく。
誘拐された。だが誰に?
彼は、人類-クジン戦争で両親を亡くし、膨大な遺産と保険金を受け取っていた。
しかし、21歳になってこのお金を受け取った後も、わずかな生活費を稼ぐために国連で働いていた。
そしてこの金に目をつけたのが、トロヤ・マフィアとマフィアに買収された彼の上司だった。
抵抗することもできず、彼の100万スターはベルターのマネー・ロンダリング用のアカウントに振り込まされ、消えて行く。
しかし、パラノイアの彼は、口座操作に使うPINにある仕掛けをしていた。
これを感知したARM(Amalgamated Regional Militia: 国連軍)が急襲するものの、シグマンドは心臓にナイフを刺されてしまう。
そして、再びシグマンドは目覚める。今度はオート・ドクの中で。
目覚めた彼を待っていたのは、ARMエージェントのフェザー・フリップだった。
彼女から、ARMエージェントはパラノイアであることを知らされる。
生まれつきのパラノイアは、週末に薬で普通の人間に戻り、普通のエージェントは、薬で仕事中はパラノイアになることを。
そして彼は、やっと自分が本当にいるべき居場所を見つけたのだった。
ARMエージェントなった彼は、常に人類に対する脅威を追いかけていた。
ジンクスとパペッティアの合同探査で、ゼネラル・プロダクツ製船殻の中で2人の人間が潰されて死んでしまう。
可視光以外何も通さないはずの船殻の中で、何が起こったのか?
中性子星に、未知の脅威が隠されているのか?それともジンクスの知的研究機関で、特別な兵器が開発されたのか?
突然、パペッティアがノウン・スペースから消え去る。
地球の経済は、これによって大混乱を来していた。
これは、パペッティアの策略の一環なのか?
また、パペッティアと繋がりがあるベイオルフ・シェイファー、彼の友人である超大金持ちのグレゴリー・ペルトンの謎の探索で何が起きたのか?
裏にパペッティアの謀略が隠されているのか?
そして物語は、フリート・ワールドから離脱した、植民者たちのその後に続いて行く・・・。
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| 書評 (Book Review) |
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この物語は、短編集「中性子星」、「太陽系辺境空域」、未邦訳の「Crashlander」の別物語です。
この3冊でベイオルフ・シェイファーの視点から語られた物語が、本作ではシグマンドとパペッティアたちの視点から語られます。
登場する物語は、中性子星から「中性子星」、「核へ」、「ソフト・ウェポン」、「フラット・ランダー」。
太陽系辺境空域から「太陽系辺境空域」。
そして、「Crashlander」から「Ghost」と「Procrusters」へ続き、最後に、前作「Fleet of World」のその後へ繋がります。
物語は、シグマンドの他、パペッティアのネサス、アキレス、ベデカーの視点で語られます。
ちょっと物語に無理があるような気もしますが、ニーヴン・ファンなら、シグマンドとネサスの駆け引きを楽しめるし、アウトサイダー人のフォーティーンとの対峙も面白い。
数々の過去の短編と、Fleet of World を強引なうっちゃりで繋げた一作です。
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独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆☆
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