書評 (Book Reviews)
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Have Space Suit - Will Travel (スターファイター)
Robert A. Heinlein (ロバート・A・ハインライン)
◎書籍概要 (Book Description)
 キップ(クリフォード・ラセル)は、月旅行を夢見て懸賞に応募する。 熱心に熱心に応募したが、彼の賞品は古びた宇宙服だった。
 その日から、裏庭にある彼の実験室で宇宙服の修理が始まった。 少しずつ機能を取り戻す宇宙服はオスカーと名付けられる。そしてある日、オスカーに謎の通信が入る。 つい、興味本位で通信に答えたところ、まるで三文SF小説のように、彼は異星人に誘拐されることになってしまった。。。
◎書評 (Book Review)
 「Tunnel in The Sky (ルナ・ゲートの彼方)」、 「Podkayne of Mars (ポディの宇宙旅行, 天翔ける少女)」と同様に、 ハインラインが青少年向けのジュブナイルとして書き上げた物語です。 「Tunnel in The Sky (ルナ・ゲートの彼方)」ほど過酷な物語ではありませんが、 他のハインラインの物語同様、主人公は酷い目に遭い、その様子が厳しくもコミカルに描かれます。
 多くの中高校生と同様に、主人公も自分の可能性に不安を感じています。 利発ではあるが天才になれる自信はなく、自分が何になりたいかもはっきりしない。誰しもが思春期に陥る悩みです。 そんな等身大の主人公が苦労を越えて成長する物語です。

 そして、毎度のハインライン先生の格言は、主人公の口からだけではなく、父親の口からも語られます。

"Some people insist that 'mediocre' is better than 'best'. They delight in clipping wings because they themselves can't fly. They despise brains because they have none. Pfah!"

「最上であることよりも平凡であることがより良いと主張する人達がいる。 彼らは折れた翼を賞賛する、なぜなら彼ら自身は飛べないから。 彼らは秀才を疎む、なぜなら能がないからだ。ふん!」

 中高校生には厳しい台詞ですが、その通りですね。人間、努力を忘れたら終わりです。 私がペーパーバックを読む理由の1つは、子供たちに読ませる本を探すことでもあります。 この本は、子供たちが高校生ぐらいになったら、英語学習のために最初に読ませる本にしたいですね。

 なお、この物語は冥王星が月より小さいなんて分からなかった頃に執筆されたので、誤った描写があります。 また、多くのこの時代のSFと同様に、電卓や小型コンピュータではなく計算尺が登場します。 その一方、最先端の量子論を織り込んだ内容でもあります。 量子論では、重力子と反重力子の存在が予見されていますが、もしこの素粒子の存在が事実であれば、時間旅行も超光速移動も理論上可能となります。 時空という4次元世界では、重力子は未来へシフトする性質を持ちます。だから、反重力子があるなら過去にシフトすることができるでしょう。
独断と偏見に基づくお勧め度 ☆☆☆☆
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