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サンプリングレートについて
掲示者:おやじ 1999年11月19日 12時37分
はじめまして。 ご存知の方がいらっしゃったら、教えていただきたいのですが...
サンプリングレートを表現する際に、 1)YUV(本HPに記載されている) 2)YPbPr というのがあると思うのですが、両者は同じものなので しょうか?
具体的には、 YUV=4:2:0 と YPbPr=4:2:0 は、同じことを示していると考えてもよろしいのでしょうか?
Re:サンプリングレートについて
掲示者:やすたか 1999年11月19日 19時22分
YPbPrやYUVは,ディジタルデータを表しているではなく,映像信号を表しています。具体的には,YPbPrはコンポーネントのビデオ信号で,YUVはコンポジットのビデオ信号です。 そして,コンポーネントのYPbPr信号に対し,色差信号を間引きしてデータ量を減らし,コンポジットで送信できるようにしたものがYUVです。つまり,YUVは色差情報が足らないので,YPbPrより品質が劣るビデオ信号ということになります。
ビデオ信号をディジタルデータにする時の「サンプリングレート」は,輝度信号,色差信号をサブサンプリングする時の比率を表しています。このため,YPbPr=4:2:0サンプリングもYUV=4:2:0サンプリングも,同じデータ量(情報量ではない)のディジタルビデオデータが作られます。 しかし,元となる信号の品質(情報量)に差があるので,同じサンプリングレートで量子化していても,同じ品質の映像にはなりません。
ちょっと分かり難くいですね・・・・・・,要は,YPbPr=4:X:Xはコンポーネントからのサンプリング,YUV=4:X:Xはコンポジットからのサンプリングという違いがあると考えてください。
Re:サンプリングレートについて
掲示者:matsu 1999年11月22日 19時24分
興味があるので便乗質問させて下さい。
YPbPrはHDTVのコンポーネント信号の規格だと思ったのですが、 NTSCでも使われることがあるのですか? NTSCのデジタル系コンポーネント信号はYCbCrなのでHDTVテレビで コンポーネント入力の付いているものはYPbPrとYCbCrと 両方の名前が書かれています。
あと、コンポジット信号はYIQではなかったでしょうか。 私の理解ではNTSCはRGBをYUVに変換して色差信号の帯域を 制限、それからコンポジットにするために色差信号を色副搬送派 に乗せる際にYIQに変換していたと思いますが。
多分やすたかさんの言うYPbPrとYUVの情報量の違いというのは コンポジット、コンポーネントうんぬんではなく それぞれの色差信号の帯域の違いのことですよね?
DVのようなYCbCr=4:1:1であれば元がYPbPrかYUVかの違い は影響ないでしょうが、MPEG2等のYCbCr=4:2:0となると 元がYPbPrかYUVかの違いは大きいのではないかと思います ので、YPbPrが使われている機器があれば知りたいです。
Re:サンプリングレートについて
掲示者:やすたか 1999年11月23日 11時53分
> YPbPrはHDTVのコンポーネント信号の規格だと思ったのですが.... HDTVという訳ではありません。アナログコンポーネント信号がYPbPrで,YCbCrはディジタルコンポーネント信号です。
> コンポジット信号はYIQではなかったでしょうか..... コンポジット信号と言えばその通りですが,むしろNTSCと言った方が正しいと思います。NTSCは,白黒映像信号との互換性を保つためにYIQを使っています。そして,YUVはPALに使われています。なお,NTSCもPALもコンポジット信号です。 しかし,YUVという標記は割とアバウトに広範に使われていまして,むしろYIQという標記の方が映像信号の説明などの場でしか使われていません。一般的には,NTSCやPALなどのコンポジット信号,JPEGやMPEGの色空間にYUVという標記を使っても支障がないと思います。
> それぞれの色差信号の帯域の違いのことですよね? 帯域の違いは大きな意味を持ちます。携帯電話でも,PDCフルレート,ハーフレートを比較すると,帯域幅によって再現できる音に大きな違いがありますよね? 複数のアナログ信号を一本のケーブルや一つのチャンネルで送信するためには,信号を合成して送信する必要があります。NTSCやPALのコンポジット信号では,画質に一番影響のあるY信号を優先し,U,V信号を狭い帯域に抑えているため,全ての色情報を乗せることができません。コンポーネントはY(luma),C(chroma)を別々に送信するので,画質が落ちるような狭い帯域を使う必要がありません。 それと,そもそも,なぜ映像データをY(luma)とC(chroma)に分ける必要があるか?に注意してください。RGBではどれか1つ又は2つの情報だけを減らすことができません。RGBの比率が崩れると,明るさも色合いも全然変わって しまうからです。このため,情報量を少なくして転送しやすくするためには,RGB全てを減らす,すなわち,解像度を落とす必要があります。しかし,輝度,色差に分離することで,人間の目が最も敏感な輝度情報を優先し,色差情報を抑えることで,解像度を維持したまま情報量を減らすことができるのです。 YUV(YIQ)すなわちNTSCやPAL信号では,帯域を狭く制限して転送しやすくしているので,コンポーネントの色情報と比較すると誤差が生じています。
> DVのようなYCbCr=4:1:1であれば元がYPbPrかYUVかの違いは影響ないでしょうが... ごめんなさい,ちょっと質問の趣旨と違いますが・・・・m(_ _)m 例えば,DVCAMのようにYCbCr=4:1:1であれば,コンポーネントとコンポジットの違いは大きいです。コンシューマ向けDVのようにYUV=4:1:1であれば,違いがなくはありませんがコンポーネントを使う意義がありません。(YUVとYPbPrの間には誤差がありますので。) それと,MPEG2をコンポーネントから作成しても,見る時に普通のテレビを使うのであれば,ちゃんとNTSCで通る範囲に色が収まっているか否か?が重要になります。綺麗な映像を作っても,NTSCの能力を超える範囲の色が使われていれば,色合いがおかしい映像になってしまいます。例えば,CGアニメーションをNTSCに流すと劣化して見えるのは,NTSCの能力不足というか,NTSCの能力を超える範囲の色を一度に使おうとするのが「主な」原因です。 もし,コンポーネント入力のモニターで見るのであれば,コンポーネントから作る意義は大きいです。しかし,普通のテレビで見ることが前提であれば,コンポーネントを使うことよりも,色の深さや範囲を調整して,コンポジットで再現できる映像にすることの方が大切です。
Re:サンプリングレートについて
掲示者:matsu 1999年11月23日 18時39分
やすたかさん、RESありがとうございます。勉強になります。
やすたかさんのRESで更に思ったことがあります。 DVDプレイヤーにYCbCrのコンポーネント端子があって、TV にもコンポーネント入力を持つものがありますが、これを 使うとコンポジットやS端子より色差信号の帯域はYCbCr=4:2:0 に相応しい帯域まで広がっていると思っていいのでしょうか? DVDがコンポーネント信号から作製されているとすればそういう ことになりそうですけど。 だとすれば最近のD端子付きのTVとDVDの組み合わせの画質 って相当よさそうですね。残念ながら素人DTVの世界では このクォリティの映像は扱えないですけど。
ところでDVRaptorのコーデックがYUVをYCbCrとして処理している という論争があったのはご存知ですか? 私が調べた限りでは民生DVはITU-R601準拠のYCbCrみたいで Raptorのコーデックはこれを正直にデコードしているようでした。
Re:サンプリングレートについて
掲示者:やすたか 1999年11月24日 00時17分
> これを使うとコンポジットやS端子より色差信号の帯域はYCbCr=4:2:0に相応しい帯域まで..... CRTモニターは,アナログRGB信号で表示されます。YCbCr信号からRGB信号が作られていれば,その映像はコンポーネント品質です。S端子やRCAコンポジットを使うよりも高い品質になります。 それと,帯域は,単にデータを送るための手段です。十分な周波数と帯域幅があれば,どんなデータでも送られますし,限られた帯域幅しか使えなければデータを小さくしなければならない。そして,データを小さくするためには,色空間を変換して人間が知覚しづらい部分を減らしたり,ディジタル化してサンプリングを変えたり様々なコーデックを使って圧縮する。このように考えた方が良いと思います。
> 民生DVはITU-R601準拠のYCbCrみたいで.... 申し訳ありません。DVCAMもDVも理論的な画質に差がないようですね。DVにはYUVという表記しか使われていなかったので,CCDからスキャンしたディジタルRGBをYUV=4:1:1相当に変換して記録している・・・と勝手に解釈していました。m(_ _)m では,DVカメラ+IEEE1394でDTVしている時は,コンポーネント品質で編集しているんですね! ・・・DVカメラにコンポーネント端子をつければアナログ出力もコンポーネント品質に・・・・コスト的に難しいし,4:1:1でそこまでこだわる必要はないでしょうか?^^;
Re:サンプリングレートについて
掲示者:matsu 1999年11月24日 18時19分
RESありがとうございます。
あまり難しい話も良くないかなあと思って中途半端な表現 をしているのでちょっと意味が通じていなかったかもしれませんね。
私が「YCbCr=4:2:0に相応しい」といったのは、Yの帯域が 6MHz程度とするとYCbCr=4:2:0の場合色差信号の帯域が3MHz 程度になるはずで、これはNTSCの色差信号帯域の約1.5MHz より色信号の解像度が大幅に改善されているのではないかと 思ったからなんです。 その意味ではYCbCr=4:1:1の場合は色差信号の帯域は1.5MHz 程度となりNTSCと帯域は変わらなくなってしまうので、 コンポーネント接続をしてもあまりメリットはないのかな、と (ビクターのDVデッキでコンポーネント出力を持っているのが ありますけど) NTSCの場合S端子接続でも色差信号が色副搬送波に乗っている ので、それに比べれば余計な変換がない分いいのかもしれませんけど。
Re:サンプリングレートについて
掲示者:やすたか 1999年11月27日 23時36分
やすたか@出張帰りです。レス遅くなって申し訳ありません。m(_ _)m
YCbCrについては,サンプリングレートによってデータ量は変わりますが,再現できる色空間の広さ(能力)には違いがありません。色差情報の解像度に違いがあるだけです。 繰り返しになって申し訳ありませんが,コンポーネントとコンポジットでは,再現できる色空間の広さが違うところに注意してください。 「色空間のいろいろ」にもリンクを作ってありますが,以下のサイトが非常に参考になると思います。 http://www.inforamp.net/~poynton/notes/colour_and_gamma/ColorFAQ.html
また,以下のサイトにも(作成中となっていますが)詳しい記述がありますので,参照してみてください。 http://www.asu.ac.jp/~maru/
Re:サンプリングレートについて
掲示者:matsu 1999年11月29日 17時30分
ありがとうございます。
>繰り返しになって申し訳ありませんが,コンポーネントとコンポジットでは,再現できる色空間の広さが違うところに注意してください。
YPbPrとYUVのRGBとの変換式の違いのことですか? ま、とりあえず勉強します。
ありがとうございました。
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