最近のビデオカメラは,「目の付けどころが違うだけ」の会社のように,液晶画面のファインダーのみ用意して,覗き込むファインダーがないものがあります。
しかし,TVモニターのファインダー,覗き込む形のファインダーのどちらかが優れているということはなく,それぞれメリット,デメリットがあります。
2種類のファインダー
話を簡単にするため,昔からある覗き込むタイプのファインダーを「覗き型」(変な意味に取らないでください・・・(^^;),
液晶画面等の両目で見るタイプのファインダーを「表示型」と呼ぶことにします。
そして,覗き型,表示型の特徴は,プロがどんなときにどちらのタイプを使っているかを見ると,おおよその見当が付いてきます。
- 覗き型
多くの場面で使われているファインダーは,こちらのタイプです。
TVニュース用の映像を取り扱うニュース部門にしろ,ドキュメンタリー等を扱う編成部門にしろ,撮影に使用するビデオカメラは,いずれも覗き型のファインダーが使われています。
下で理由を記載しますが,覗き型のファインダーの方が,対象物の動きに併せやすいためです。
- 表示型
プロ用のビデオカメラには,家庭用ビデオカメラのように,液晶ディスプレイが付属するカメラを見かけることはありません。
その代わり,CRTのファインダーを使用したカメラが,TV局のスタジオ,スポーツ中継などの現場で使われています。
液晶ディスプレイとブラウン管の違いがありますが,両目で見るタイプであることには変わりないので,表示型を使っていると考えてください。
こちらも下で理由を記載しますが,表示型のファインダーは,長時間撮影しても疲れが少ないために,上記の場面で使われています。
ファインダーごとの特徴と使い方
私たちのように,撮影テクニックを学んでいない人間にとっては,表示型の方が使い易く感じます。
しかし,注意しなければいけないのは,覗き型にしろ表示型にしろ「ファインダーは視野が狭い」ということです。
私たちがビデオカメラを手に取るとき,何かを撮します。
しかし,その撮している被写体がフレームアウト(被写体が画面の外に消えること)したり,フレームイン(被写体が画面に入ること)を繰り返すと,非常に見難い映像になります。
しばしば,フレームアウト・インを繰り返してしまう原因は,狭いファインダーの視野だけを頼りに撮影するために起こります。
表示型のファインダーでは,被写体とファインダーを同時に見ることが困難です。
しかし,覗き型のファインダーでは,右目でファインダーを,左目で被写体を見ることによって,両方を同時に見ることができます。
ビデオカメラを使い始めた方は,右目でファインダーを覗いたとき,ついつい左目を閉じてしまいがちですが,
右目でファインダーを覗くときに左目も開けて両目で撮影対象を見ると,多少動きの速いものを撮影する場合でもフレームアウトせずに撮影できるようになります。
- 【注意】
- プロ野球中継では,表示型のファインダーを使ったカメラで,小さいボールをフレームアウトせずに撮影していますが,あれはプロだからできる技です。素人が表示型でマネしようとすると,画面がブレるばかりで,非常に見苦しい映像になってしまいます。
覗き型のファインダーは,被写体に併せやすいというメリットがある反面,疲れやすくて長時間の撮影が困難,三脚に取り付けたときに覗きにくいなどのデメリットがあります。
これに対し,表示型のファインダーでは,左右の目が異なるところを見つめる必要がなくなるので,長時間の撮影でも疲れないメリットがあります。
また,三脚などを使った場合も,手持ちで撮影する場合となんら変わらずにファインダーを見ることができます。
以上の理由から,ビデオカメラの撮影やビデオカメラを選ぶときは,次のことを頭に置いてください。
- 覗き型のファインダーを使うときは,必ず左目も開けて対象物を見るようにする。
- ビデオカメラを買うときは,できる限り,覗き型のファインダーが付いてるものを選ぶ。
最近のビデオカメラは,覗き込むファインダーと液晶ディスプレイの両方が付いている製品が増えてきました。
もしあなたが,これからビデオカメラを購入しようと考えているのでしたら,是非,両タイプのファインダーが付いているカメラを買うことをお薦めします。
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