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- Question :
- Quick TimeムービーやAVI(Video for Windowsファイル)に使うコーデック(Codec)には,どんな種類,特徴があるのですか?
- Answer :
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- 3種類の用途
Quick TimeとAVIに使うことができるコーデックには,3種類の目的に合わせて,まったく用途の異なるコーデックが用意されています。
- 非圧縮コーデック
Quick Timeでは「(Apple) Uncompression」,AVIでは「RAW」(Windows 3.1のVideo for Windowsにはあるが,Windows95には非搭載)という非圧縮のコーデックがあります。非圧縮のため,まったく画質劣化がないので,一時的に画質劣化を避けて保存したい場合などに使えますが,ほとんど使われることのないコーデックです。
- アニメーション用コーデック
Quick Timeでは「(Apple) Animation」,AVIでは「RLE」というアニメーション用のコーデックがあります。これも,非圧縮のコーデックですが,発色にディザ(Dither)を使うことも可能になっています。主に,プレゼンテーションのスライドのように,動きが少なく,文字を鮮明に表示するような動画に使われていますが,あまり見かけることのないコーデックです。
- 不可逆圧縮コーデック
Quick Timeでは「Cinepack」,AVIでは「Cinepack」,「Indio(IVI)」,「MS-Video1」という非可逆圧縮を使った高圧縮でコマ数の多い動画向けのコーデックがあります。一般的に,CD-ROMなどで使われているQuick TimeムービーやAVIには,このコーデックが使われていますが,最近は,PCの性能が上がったため,MPEGが使用されることの方が多くなっています。
なお,Indioについては,IR3.1,IR3.2,ivi4,ivi5があります。IR3.1及びIR3.2は,Windows3.1時代に作られたコーデックで,Windows95には,両方とも標準で搭載されています。ivi4,ivi5は,最近のMS製ゲームやブラウザーをインストールするとPCに組み込まれますが,Adobe製品の動作に不具合が出る場合があります。
- 各非可逆圧縮コーデックの特徴
- 画質
- Cinepack:
コンピュータグラフィックのような彩度の高い映像は,色のにじみも少なく綺麗な色のビデオが作成できますが,自然風景のような淡い色合いが苦手で,黄ばんだ平坦な色合いの映像になってしまいます。
なお,Quick Time 3.0以降に使われるCinepackコーデックは,上記の特性が改善され,自然画でもIndio(IVI)と同等以上の画質になっています。
- Indio(IVI):
自然風景のような淡い色合いの映像は,自然な色合いを再現した綺麗な色のビデオを作成できますが,コンピューターグラフィックのような彩度の高い映像では,原色に近い色の部分ににじみが発生します。
- MS-Video1:
淡い色合い映像,彩度の高い映像の両方とも,今ひとつ不鮮明な色になってしまうコーデックです。特に,画面が切り替わった部分に,細かいブロック状のノイズが発生して,非常に見難い映像になってしまいます。
- 圧縮率
- Cinepack:
圧縮率に幅がありません。つまり,圧縮率を高く設定しても,ファイルサイズが小さくなりません。しかし,どんな圧縮率の映像にしても,極端に画質の変わらない映像になります。
- Indio(IVI):
圧縮率に,比較的大きな幅があります。圧縮率を上げると画質が非常に悪くなりますが,Cinepcakに比べると驚くほどファイルサイズが小さくなります。
- MS-Video1:
圧縮率にあまり幅がありませんが,圧縮率を少しでも落とすと,先に説明したブロックノイズが見るに耐えないほど増えてしまいます。
- 圧縮・展開にかかる時間
- Cinepack:
圧縮にとても長い時間がかかります(膨大なCPUの演算時間を必要とします。)。その反面,再生(展開)は,非力なCPUでもコマ落ちの少ない再生ができます。
- Indio(IVI):
Cinepackと比べると,圧縮に半分程度の時間しか必要になりません。その反面,ある程度強力なCPUでないと,十分に再生することができません。
- MS-Video1:
Cinepackほどではありませんが,圧縮にかなりCPUの演算を必要とします。しかし,再生については,ある程度強力なCPUでないと,十分に再生することができません。
- MotionJPEG,MPEG1について
MotionJPEGやMPEG1は,上記のQuick Time,AVIコーデックより遙かに色の再現性が高く,細密な映像を,Quick TimeやAVIと同等の圧縮率で実現します。ただし,MPEGをCPU演算で作成する場合は,Cinepackの数倍も時間がかかってしまいます。MotionJPEGは,MotionJPEGを使うビデオキャプチャカードがなければ圧縮に使うことができませんが,CPUではなく,専用のDSPチップで圧縮を行うため,ほとんど圧縮に時間を必要としません。
また,MPEG1の再生(展開)については,Power PC 132MHz以上,Pentium 166MHz以上のCPUと,高速なビデオカードが必要となります。MotionJPEGについては,Windows専用のcanopusのMJPEGコーデックがWebで公開されていますが,MPEG以上にCPUパワーを必要とします(320×240ピクセル,30fpsの映像の再生に,Pentium II 300Mhz程度の演算能力が必要になります。)。
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