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- 垂直方向
普段,私たちが見ているNTSC方式のTV映像は,525本の走査線を持っています。
525本の走査線をインターレース方式で映し出すので,262.5本のフィールド画面を2枚使って,525本の走査線を実現しています。
走査線は,左から右へ表示され,上から下へ向かって順次表示されます。
しかし,走査線を作り出す電子ビームは,右から左へ,下から上へ戻る「帰線」も走査線と同時に表示してしまい,この帰線は,走査線に干渉してしまいます。
帰線は,本来必要な線ではないので,走査線に比べて50倍の速度で移動します。
しかし,1フレーム(2フィールド)全体で6%程度の干渉を起こすので,有効に表示される走査線の数は,493〜494本となります。
この493〜494本という数字が,TV映像の垂直解像度と考えてください。
- 水平方向
走査線という物理的な目安のある垂直方向に対して,水平方向には,これといってTVの仕組みから判断できる材料がありません。
しかし,TV映像の撮影に使われるビデオカメラは,この10年ほどで撮像管方式からCCD方式へ変遷しています。
CCD版は半導体であるので,まさに解像度の目安に使うことができます。
- 主な業務用ビデオカメラ
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区分 | CCDの有効解像度 (水平×垂直) | 録画方式 |
アナログ方式 | ディジタル方式 |
ソニー | 768×494 | ベータ | DV CAM |
松下 | 754×485 | S-VHS | DVC PRO |
ビクター | 768×494 | S-VHS | Digital S |
現在,ソニーのベータ・カムが業務用ビデオカメラの主流となっています。
松下も健闘してはいますが,S-VHS方式ではプロを唸らす画質を作れません。
プロカメラマンは,画質に敏感です。少しでも画質が劣るカメラなんて使おうとしません。
CCD方式のビデオカメラが普及し始めた頃,CCDカメラは照明ライトがほとんど不要という利点があるにもかかわらず,撮像管の方が滑らかな画像であること選び,
カメラマンが撮像管カメラを現場へ持って行った光景を何度も見たことがありました。
現在では,圧倒的な画質を誇るベータですが,ビクターのDigital-Sは,ベータを凌駕するビデオフォーマットと言われています。
このため,今後,ビクターが業務用ビデオカメラの世界を席巻する可能性もあります。
以上のことから,主に使われている又は今後使われる可能性のあるビデオカメラは,768×494のCCDを使っていますので,TV映像の水平解像度は,最大768ピクセル相当と考えることができます。
- その他の周辺状況
国際電気通信連合のITU-R601(旧CCIR601)規格では,NTSC方式のディジタルビデオの解像度を720×486ピクセルとしています。
このため,多くのディジタル編集機器やビデオキャプチャ機器では,720×486又は720×480ピクセルを「フルサイズ」としています。
しかし,前述の1,2に挙げた理由から,本来あるべき「フルサイズ」は,768×494ピクセルと考えられます。
ただし,私たちが普段使っている映像機器は,これほど高解像度ではありません。
以下に幾つかの映像機器と解像度をまとめますので,ビデオキャプチャカードを購入するときの参考にしてください。
なお,PCの画面は,各ピクセルが正方形なので320×240や640×480という解像度が使われていまが,TVなどの映像機器では,走査線と走査線の間に若干の隙間があることから,ITU-R601のディジタルビデオ規格では縦長のピクセルが使われています。
区分 | 解像度 |
VTR(VHS方式) | 水平解像度240本 |
VTR(S-VHS方式) | 水平解像度400本 |
プレイステーション | 750×240ピクセル,60フィールド/秒 |
MPEG1 (ビデオCD) | 352×240ピクセル,30フレーム/秒 |
MPEG2 (DVD) | 720×480(486)ピクセル,30フレーム/秒 |
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