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- Question :
- IEEE1394，FireWire，DV端子・ケーブル，i.Linkなど様々な名称がありますが，どのような違いがあるのでしょうか？
- Answer :
- IEEE（アイ・トリプルイー）1394は規格の名称，FireWireは開発元が付けた名称，
DV端子はIEEE1394規格の曖昧な部分を突いて作られた端子，DVケーブルはIEEE1394端子とDV端子を繋ぐケーブル，
i.Linkはソニーが中心となり，ちょっとおまけを付けた上で「呼びやすい愛称をつける」という名目でつけた呼称という違いがあります。
IEEE1394は，以下の経緯で規格が作られたり，呼び名が決められています。
- Apple社がFire Wireという高速シリアル通信システムを作り，標準化のためIEEEに提出。
- IEEEにおいて，Fire Wireを標準化する第1394カンファレンスが構成され，Fire Wireの標準化案をP1394として公開。
- 一定の標準化の結果，正式な規格（バージョン1）として「IEEE1394(a)規格」が策定される。
- ソニーがIEEE1394規格の曖昧な部分を突き，主にDVカメラ用の端子としてDV端子を作る。また，その他のビデオカメラメーカーも，ソニーへの対抗上，DV端子を使い始め，DVカメラの事実上の標準端子として定着し始める。
- ソニーが中心となり，IEEE1394規格にDV端子，ソニーのDV機器通信制御プロトコルを含めた上で，i.Linkという呼称をを使い始める。
IEEEは，IEEE1394の他にも様々な通信規格を策定しています。
例えば，Ethernet（イーサーネット）や10BASEとして知られるLANの通信機器は，IEEE802.3として規格が作られています。
また，同時に策定されたLAN通信規格であるトークンリングは，IEEE802.5となっています。
IEEE802.3は，XEROX社が開発したEthernetを標準化したもので，IEEE802.5は，IBM社が開発したトークンリングを標準化したものです。
このため，どちらの規格のLAN機器も，IEEE規格名称で呼ばず，それぞれの開発元が名付けた名称が一般的な呼称として使われています。
ただし，IEEE802.3については，トークンリング（7〜9Mbps）よりも速い通信速度（10Mbps）であることを強調するため，通信速度を基にした10BASEという呼称が好んで使われました。
IEEE1394については，DV端子がIEEE1394"準拠"としてCM等に登場している影響から，規格名称自体が一般的に通用する呼称になっています。
しかし，開発元のAppleがFireWireと呼んでいることから，IEEE1394の呼称としては，Fire Wireという呼称を使うことが妥当と考えます。
ただし，電子機器メーカーが自社製品にFire Wireという名称を使うためには，Apple社にライセンス料を支払う必要があります。
このため，多くの電子機器メーカーは，IEEE1394規格製品のことを，単純に「1394」と呼ぶ傾向があります。
また，i.Linkという呼称は，ソニー（及びソニーと関連の深い企業）と日本国内のマスメディア以外では，ほとんど使われることがありません。
IEEE1394規格では，IEEE1394規格を使った通信機器に，6ピンの端子を3つ備えることとしています。
しかし，終末端末（ディジーチェーンの最後に繋ぐ端末）については，電源用の2ピンを除いた4ピンの端子を一つだけつけることでも良いとしています。
また，現段階のIEEE1394規格は，OSI参照モデルで言うところの物理層からトランスポート層に該当する部分が規格化されていますが，セッション層から上の層について十分規格化されていません。
この終末端末用の端子が明確に規定されていない点，セッション層以上が不十分な点を突いてソニーが作ったのが，DV端子とi.Linkです。
自らが知的所有権を持っている製品を普及させることは，メーカーに取って大きな利益を生み出します。
このため，ソニーが，DV端子やメモリースティックなどの普及に腐心していることを批判はできませんが，
ユーザーが便利になるとは限らないことに注意してください。
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